私にとっての初めての酒造りは、2014年12月。
原料米は長野県産美山錦59%精白米を全量使用し、300kg仕込みをタンク1本だけ。
銘柄は「つきよしの」
種類は「特別純米原酒」
お店やメニューに並んで人の目につくように、当時あまり見なかった平仮名の名前にし、原酒で飲みやすいというコンセプトで発売しました。
製造本数も少なかったため、ラベルは自作でした。
今見るとこれじゃ目立たないなぁと思いますが、当時の私の技術はこの程度でした。
味わいはというと、酸味がきいて、どちらかというと骨太なタイプ。温めても冷やしても美味しいお酒を目指しました。
流行りの味ではなく、完全に自分の好みのお酒を目指して造ったものです。
初年度は酒業界に入って2年目、他の酒蔵で勉強しながらの仕込みでしたので、麹を修行先の蔵で作って持ち帰って仕込みました。
圧搾機は、ジュース搾りの機械を転用し工夫して使いました。
なんとかお酒にすることができ、少しずつ地酒専門店の方から声をかけてもらえるようになりました。
自分で造った初めてのレシピで、自作第一号の酒である特別純米酒。
取引先の中では通年商品として置いて頂いている所もあり、私自身、弊社のお酒を飲んだことがない方にはまずこちらをお勧めしています。
このように私にとって最も思い入れがあるお酒ですが、製造段階でも、最も優等生な醪です。
一度に数本仕込む酒造り期間中に、この酒の醪は強く元気で、ちょっとやそっとのことでは私の手を煩わせません。
1番扱いやすく、好きな香りのお酒です。
今まで「つきよしの 特別純米原酒」として発売していたこちらのお酒ですが、今季の新酒から、装い新たに「つきよしの 桜」という名前で発売をしています。
桜は、月吉野の銘柄の由来でもあります。
長野の桜の時期は、肌寒い気候から暖かくなる季節に花が開き、お酒もぬる燗〜冷酒で楽しめるような酒質にしています。
飲んだことのない方は是非一度お試しくださいませ。
仕込みの方はというと…
醪をあと3本育てたら、皆造となります。暖かくなってきてしまったので、米を自然放冷するのが一苦労です。
最後まで丁寧に醸します!
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