山田錦という酒米で仕込む、つきよしの純米大吟醸酒。
令和3年度の新酒を仕込んでおり、そろそろ搾る日を迎えそうです。
こちらは当社で最も高級なお酒として販売しているもので、パッと考えつくだけで以下の特徴があります。
①酒米の王様と言われる山田錦を、39%まで精白(61%削ってしまう!)
②小仕込み=生産量が少ない
③突き破精麹を造るため、生やす菌の量を少なくする=菌体が少ない為品温経過に最も気を遣う
④原料米が高価
⑤酵母の活動に配慮しながら低温にて発酵
⑥一部袋吊り→斗瓶取りという、醪を酒袋に入れて垂れた雫のみを斗瓶に溜め、瓶詰めする方法を採用。ほぼ手作業。袋洗いは何度も何度も水を変え毎日行い、普段以上に気を遣う。
⑦低温発酵なので粕歩合が高く、普段より清酒取得量が少ない
⑧搾ってすぐ殺菌、を第一優先に作業を組む
⑨火入の温度は高くなりすぎないよう、かといって低すぎないよう慎重にする。火入れ後の処理もスピード重視!
⑩保存はマイナスの冷蔵庫にて行う
これだけじゃありませんが、とにかく気を遣うお酒ということです。
日本酒の業界には各種品評会があり、国内でいうと独立行政法人酒類総合研究所主催の全国新酒鑑評会や、国税局主催の酒類鑑評会、県主催の清酒品評会などがあります。
これらの鑑評会で賞を取れるよう、各県の蔵元や工業技術センターの人達は情報交換や酒質向上の努力、入賞酒の分析をしたりします。
なので、賞を取れる酒の条件というのも、大体定義されています。(原料や品温経過、酒の成分値など)
鑑評会は減点方式で、酒質のバランスや香りの良さ、雑味のなさを見ます。
何のためにやるかというと、醸造技術の向上、吟醸酒の拡販が主たる理由で、主旨は昭和の頃からほぼ変わらないそうです(国税局談)。
若林醸造では、過去に一度しか賞を取った痕跡がありません。
私が杜氏になってからは、県の品評会には毎年出品しますが、その他の鑑評会には未だ出品したことがありません。
理由は、出品できるレベルのものが造れていないからです。
ただ、毎年チャレンジしてはいるので、長野県での評価順位が上がっていくのを見るのは楽しいです。
出品できないようなお酒ってどんな味かというと、美味しくないということは全くありません。とても美味しいです。何が問題かといえば、「賞を狙えるかどうか」の一点のみです。
いつか、もし賞を取る事ができたら・・・
つきよしのを応援してくれる人達に、是非飲んでもらいたいと思っています。
私が杜氏になって今年で6期目になりますが、当社で催した最初の新酒会では、県の品評会で下から2番目の順位だった大吟醸を飲んでもらった事があります。
賞を取ったら、それを皆んなで思い出しながら酒の会をやるのが夢です。
完全な夢物語ですが、いつか叶えられるよう頑張って造っていきます!
この最高級酒ですが、今ではオンラインショップでの売り上げがNo. 1になり、これをメインに仕入れてくれる酒屋さんと知り合う事ができ、さらにはシンガポールの会社と契約して独占販売してもらえるまでになりました。
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年々酒質は向上しているハズ!です。
新酒からラベルデザインもリニューアルするので、最後まで気を抜かず、無事冷蔵庫保管まで辿り着けるよう、頑張ります!!
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