今年も残すところあと数日となりました。
年が変わる前に、若林醸造のまわりで今年何があったか、思い返してみたいと思います。
2021年1月。
前年から始まった新型コロナウイルス感染拡大の影響を引きずり、毎日発表される新規感染者数に左右される日々でした。清酒製造販売を生業にしている私達にとっても、引き続き大変な年でした。
何に対して1番考えさせられたかというと、【人々の生活、行動の変容】です。
大人数での会食や飲み会を制限されたことは、感染対策上仕方のないことです。しかし、日本酒を飲むことは、人と人とのコミュニケーションなしには大きく広がりません。
新年会、歓送迎会、暑気払い、忘年会、出張先での接待など、人によっては「コロナウイルスの影響でなくなって良かった!」と思うかもしれない、不要不急と呼ばれた飲み会や集まりによって、日本酒の消費の大部分は支えられていたことを、強く感じました。
生活するのに必要最低限の行動を一定期間することで、その習慣が身についていき、以前の生活習慣を見直すきっかけになったのだと思います。コロナ渦の終わりはいつなのかわかりませんが、マスクを外して生活ができるようになったとしても、コロナ前の生活習慣にはもう戻らないと思います。
リーマンショックや大地震レベルの歴史的出来事になってしまったこの騒ぎは、本当に色んなことを考えるきっかけになりました。
特に今後の日本酒の売り方やPRの仕方は、どんどん変わっていくでしょう。
2021年3月。
上田電鉄別所線が全線開通をし、約一年半ぶりに千曲川にかかる赤い鉄橋を電車が走りました。若林醸造は、復旧支援のお酒を販売し売上の一部を上田電鉄へ寄附したり、全線開通祝いの商品を作ったりしました。開通の日のあの混雑ぶりは、今でも覚えています。まるで山手線のようでした。
その後数ヶ月間は、別所線開通祝いのイベントや取材が多く、明るい話題を共有できました。
2021年5月。
若林醸造の別所線関連の取り組みや、地元での酒米有機栽培の様子をNHKに取材して頂き、関東版だけでなく全国放送により多くの方に知ってもらえたのは嬉しかったです!
2021年7月。
会社の小売店舗の改装をしました。ありがたいことに、蔵まで足を運んでお買い物に来てくださる方が年々増えており、
★感染対策上、限られたスペースでいかに広く空間をとるか
★一生懸命、丁寧に造っている商品を綺麗に陳列したい
★贈答用の商品を探しにくるお客様も多い為、店舗を雰囲気から良くしたい
という想いがありました。
店舗の改装に合わせて、限定流通商品のラベルリニューアルもしました。新酒から順番にラベルを変更しているので、来年の春〜夏頃には新しいデザインの商品がずら〜っと並ぶと思います!
あと、オリンピック、パラリンピックもありましたね。
そして2021年10月から新酒を作り始め、今に至ります。
振り返ると辛いことばかりでもなく、こんな世知辛い中有難いことに、お取引先が増えました。県外&海外でも、つきよしのを買える場所が増えました。
さらに、お店の改装の影響もあったのか、店舗へ足を運んでくださるお客様の数が、前年を大きく上回っています。本当にありがたいです。
令和2年度醸造のお酒については、前年から造り方をガラッと変えた「つきよしの 山恵錦純米吟醸」がとても好評で、特に生酒はすぐに完売していました。「つきよしの 辛口純米酒」も好評で、夏に在庫がなくなってしまったので今季は製造量を倍にしています。
毎年やると決めている、新商品の販売もできました。ブレンド酒やアルミ缶の日本酒の需要も、知ることができました。
新しく挑戦したお酒の反応が良いと、モチベーションがとても上がります。蔵の規模の割に色んなタイプの酒質を造っていますが、この辺の話は来年ブログに書いてみたいと思います。
以上が、今年の振り返ってみての感想でした。
現在は、昨年に比べれば感染対策は日常化してきて、感染レベルも下がってきました。あとは、ここ数年開催できていない、「月吉野の新酒を楽しむ会」ができるようになればいいなぁ…と思っています。
だいぶ長くなってしまいましたので、
最後に!
本年も、大変お世話になりました。
今季も変わらず日本酒が造れることに、日々感謝をしております。
月吉野を応援してくださる皆様のおかげです。本当にありがとうございます。
美味しいお酒をお届けできるように、引き続き頑張ります。
それでは、良いお年をお迎えくださいませ!
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