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執筆者の写真月吉野 若林醸造

初めて公式に評価されたこと

令和3年度全国新酒鑑評会にて、「つきよしの 純米大吟醸酒」が入賞しました。

出品したのはこちらと同じスペックの新酒です。


最高級酒として毎年醸造してきたお酒で、今年醸した新酒を初めて全国大会に出品してみました。

製造量が少ない中で毎年試行錯誤をしてきて、ゆっくりと着実に品質が向上してきたこちらのお酒。初めて公的機関の評価を頂くことができました!


こちらの鑑評会は全国規模の清酒鑑評会で、国内の日本酒業界では権威のあるコンテストです。出点数は826点、そのうち長野県の日本酒の入賞は27点とのことです。(長野には約80酒蔵があります)



入賞したことは、修行先の蔵の先輩からの連絡で知りました。

普通は発表の時間前からパソコンの前で審査結果を待ち、自分で確認するものです。

多少自信があればそうやってパソコンの前に張り付いていたかもしれませんが、今回私は全く自信がありませんでした。


出品する前に行われた長野県清酒鑑評会での結果が、今までで最も悪かったのも原因の1つ。


毎年順位を上げてきていて、そろそろ上から10番以内に入りそうだな~という感触だったのにも関わらず、今年のお酒の評価は非常に良くなかったです。

出品酒の各成分値を見たり、造りの反省点も自分にはあったので納得していましたが、5人の審査員のうち半分に酷評されました。

「あの時のあの作業が原因だな」「もっと〇〇しとけばよかった」など、思い当たる節はいくつもありました。そのうえ、妊婦である自分の味覚に全く自信がなく、人の評価をそのまま受け入れていました。


一方、一緒に作っている夫はその評価を全く気にせず、「一生懸命造ったのだから全国にも出品するべきだ」と言って、全国新酒鑑評会にエントリーしていました。

理由は、新酒ができた時に今まで造ってきたお酒と比較すると「欠点がない」ことを感じたからだそうです。

出品するお酒を決める利き酒も、彼がしました。


そんな経緯があったので、入賞のお知らせを聞いたときは最初は他人事で、実際に確認したら嬉しさがこみ上げてきました。

初めて公的な機関から評価をされて、お墨付きを貰ったようで本当に本当に嬉しかったです。


本当にすごくこの上なく嬉しいのですが、今回私たちがもらった「入賞」の上には「金賞」という評価があります。

「喜ぶのは金賞をとってからでしょ」と思う方もいるかもしれませんが、私にとっては初出品・初入賞が非常に嬉しく、作り手冥利に尽きる出来事なのです。

普段飲んでくださっているお客様や、一緒に頑張って造った会社の皆のおかげだと思っています。

ありがとうございます。




もう1つ、実は入賞のご報告があります。


現在当社でアメリカ向けに醸造しているブランド MoonbloomSakeでの、コンテスト入賞のお知らせです。

出品酒は「Kunoichi By Moon Bloom」というお酒です。


(Moonbloomsake 公式インスタグラムより)


インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティションという、イギリスで開催される世界三大コンテストの1つ。

ワインやウイスキー業界で最も権威のあるコンテストです。

この「ワイン部門」の中に「日本酒部門」というのがあるらしく、そこでなんと私たちの造ったお酒が90/100ポイントを取りシルバーメダルを頂いたとのこと!!!!

すごいです。嬉しすぎます。


出品酒は「つきよしの 萌黄」と同じスペックのR2BY商品なのですが、審査員のコメントはこのように書かれています。


TASTING NOTE
" Floral and red apple aromas leap from the glass. Generous and full bodied with melon, banana and almond notes with hints of pepper spice to finish. "

何百種類ものワインを試飲してきたであろう審査員の、日本酒に対するコメントということでとても参考になります。

しかも、「山廃仕込み」というコンテストには完全に不向きであろうお酒でこのような評価を頂くことができ、感無量です。


今までやってきたことが、間違いではなかったんだなぁと安心しました。



今までこういう話題には無関係な蔵でしたので、しばらくの間は喜びを噛みしめていたいと思います。が、一喜一憂せず、良いお酒を造り続けることでいつかは金賞をとれるよう、技術を磨きたいと思います。



最後に。


日本酒は嗜好品なので、人によって好みが違うし美味しいと感じるポイントが違います。

なので、一律に「これが良い酒だ!」と決めることが難しく、だからこそ小さい島国でこんなにも多くの酒蔵が続いてきたのだと思います。

鑑評会の意義は「話題性による需要喚起」でもありますので、これを機に是非気になったお酒をお試しいただければ幸いです。(うちのお酒に限らず)








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